アシュタンガヨガとは?
美容、健康に加えダイエット効果も得られるヨガは今最も女性の間で人気があるエクササイズの一つです。
ヨガと一口に言っても伝統ヨガにはたくさんの流派があり、現代ヨガになるとスタイルは数多。自分に合ったヨガに出会うまでは迷う方も多いはず。
ここではヨガの中でも、運動量の多いアシュタンガヨガをご紹介します。
心身を鍛えたいと考えているなら、まずはアシュタンガヨガの魅力に触れてみましょう。
実践の前にあらかじめ基本知識を頭に入れておくと、アシュタンガヨガを受け入れやすくなるでしょう。
▪アシュタンガ ヨガの意味
アシュタンガヨガのアシュタンガとは、サンスクリット語で「八支則」のこと。
八支則とは、ヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)、アーサナ(坐法)、プラーナヤーマ(呼吸)、プラティヤーハーラ(感覚の制御)、ダーラナ(集中)、ディヤーナ(瞑想)、サマーディ(三昧)を言います。
この八支則を基本として、故パタビジョイス師がヨガのスタイルを構築しました。
▪アシュタンガヨガの歴史
アシュタンガヨガの始まりはティルマラ・クリシュナマチャリヤ師が基礎を考案し、それを元にわかりやすく発展させたのがシュリ・K・パタビジョイス師です。
パタビジョイス師はその後より多くの人にヨガを親しめるよう尽力し、インドはもとよりアメリカやヨーロッパをはじめ、世界中で知られるほどになりました。
パタビジョイス師が設立し、指導を行った「SHRI K. PATTABHI JOIS ASHTANGA YOGA INSTITUTE」は南インドのマイソールにあります。現在では後継者である孫のR. Sharath Jois師によって指導が行われ、アシュタンガヨガの聖地として、世界中から練習者が訪れることで有名です。
余談になりますが、現在世界中のスタジオやジムで行われている「パワーヨガ」。実はアシュタンガヨガをアレンジしたもので、セレブやアスリートも積極的に取り入れています。マドンナもアシュタンガヨガの練習者の一人です。
▪アシュタンガヨガの特徴
ハタヨガの中でアシュタンガヨガは運動量が多く、エクササイズ効果も高いのでダイエットや健康維持に取り入れてる方が多くいます。
数あるヨガの中でも、アシュタンガヨガは他にもちょっと違った特徴があります。
ヨガのポーズを指す「アーサナ」。アシュタンガヨガの特徴の一つは「アーサナ」の練習方法にあります。
アシュタンガヨガでは決められたポーズを順番に流れるように行い、ポーズとポーズの間にはヴィンヤサという独自の動きを入れることで練習を終始中断せずに行います。
アーサナの実践にはレベル分けのようなものがあり、プライマリーシリーズ(初級)を出発点として6つに分類できます。
指導者から与えられたアーサナを順に習得していき、段階的にうえのレベルに進んでいきます。
練習方法
他にもアシュタンガヨガではスタジオの練習システムにも特徴があります。
一つは自分のペースで指導者から与えられたアーサナを実践する「マイソールスクラス」。
自主練習のような形をとり、練習生は個々の内容の練習を行い、指導者がひとり一人に目をやりながらアジャストメントや補助を行うクラスで、早朝から始めることが多いです。
インドのマイソールでは練習者が多いため、あらかじめ決められた時間に順番にスタジオに入りますが、多くの場合は練習生がスタジオに入った順番にそれぞれの練習を始め、終わり次第退出していくというスタイルです。
たとえ同じレベルの練習をしている生徒でも、内容は人それぞれ。大勢の前でインストラクターが見本を見せて、それを真似るだけのフィットネスジムのヨガクラスでは、一人ひとりに行き届いた指導はできません。マイソールクラスは生徒それぞれに応じた指導ができる理にかなった練習方法と言えます。
そしてもう一つは「レッドクラス」です。指導者の掛け声とカウントで決められたポーズを順に生徒が一斉に行う練習スタイルです。こちらはある程度練習が進んだ生徒が行うのが好ましい練習スタイルで、インドのマイソールや世界中のアシュタンガヨガスタジオでは週に一度行われています。
ウジャイの呼吸法
アシュタンガヨガの特徴として挙げられるのが、ウジャイの呼吸。このウジャイの呼吸法は、のどの奥で渦を巻くような感じで息を鼻から吸って出す鼻呼吸とお腹を背中の方に引き入れて胸だけを使う胸式呼吸を合わせたものです。これをアーサナと共に行うことで体を内から活性化し、深い呼吸で感覚が研ぎ澄まされ、独特の音に耳を傾けることで集中力を高めることができます。
▪アシュタンガヨガにはどんな効果がある?
アシュタンガヨガを始める前に、その効果をしっかりと覚えておくことも大切です。
ダイエット効果
アシュタンガヨガに限らず、ヨガ全般の効果として多くの女性が期待するのがダイエットです。ダイエット効果に関しては、運動量や発汗量が多いアシュタンガヨガは大幅なカロリー消費が期待できます。
アシュタンガヨガは体幹を鍛えることができるのも注目です。これは女性らしいしなやかでほっそりした体形を目指す上でも、重要なポイントです。
更にアシュタンガヨガは、ダイエット中のさまざまなデメリットをカバーできることが可能といえます。
集中的な筋トレによる筋量アップと徹底的な糖質制限による従来のダイエット方法では長続きはせず、辞めたとたんにリバウンドするのは必至です。
アシュタンガヨガでは体幹が鍛えられ基礎代謝を上がることでリバウンドしにくい体をつくることが可能です。
美容面での効果
ホットヨガと並び発汗量も多いアシュタンガヨガですが、外からの熱で発汗を促すホットヨガとは異なり、アシュタンガヨガは体の内側から作る熱で自然に発汗します。
汗の質には良い汗と悪い汗があります。悪い汗は皮膚に悪影響を及ぼしたりすることがありますが、良い汗は肌に潤いを与え美容液のような効果をもたらします。アシュタンガヨガでは練習でかいた汗を肌に擦り込めと言われます。練習後は肌がツルツルになっているのを実感できます。
集中力アップ
どのヨガにも共通することですが、深い呼吸にポーズを合わせ、二つをうまく連動させることが大切です。加えてアシュタンガヨガではそれぞれのポーズごとに視点(ドリシティ)が決められており、ポーズの最中に視点を定めることにより集中力のアップが望めます。
呼吸法が上達し、ポーズとその順番を体が憶えて無意識のうちに動くようになり、意識を内側に向けて集中することにより、常に冷静な状態も維持できます。
運動量が多いアシュタンガヨガにはダイエット効果があるとして一般的に知られていますが、実は心身のクレンジングなどマインド的な効果が高いことが実践していくことでわかるでしょう。
睡眠の効果
自律神経がバランスが整い睡眠の質も向上します。
姿勢矯正
自然と正しい姿勢が身に付きます。
アシュタンガヨガはヨガ初心者でもできる?
ちょっと敷居が高いように感じるアシュタンガヨガですが、どんな人に向いているのでしょうか。初心者でも実践できるのでしょうか?
アシュタンガヨガは難易度の高いポーズが多くありますが、それぞれのポーズには完成形に至る過程において軽減法(イージーポーズ)も用意されており、指導者が個々の練習者に合った内容を指導します。
また、始めから終わりまで中断しないという特徴もあり、初級レベルのプライマリーシリーズでも、一回の練習時間は約1時間半かかります。ですが、最初からフルプライマリーを練習できる初心者などいません。最初は30分の練習で終わっていまうかもしれません。指導者は練習者の習熟度を見極め段階的にポーズを増やしていきます。練習を続けていけばいずれ1時間半の練習が知らずのうちに終わっているという時がくるでしょう。
初心者でもアシュタンガヨガに挑戦することはできます。そのためには自分に合ったペースで練習できるマイソールスタイルや初心者向けのクラスで始めていくのがおすすめです。
アシュタンガヨガはレベルによってポーズの難易度が違うので、体を動かすのが好きな方や集中してダイエット等、もっとヨガの世界に浸ってみたいという人にもぴったりです。
アシュタンガヨガをやる前に…
アシュタンガヨガにはケガもつきものです。注意するべきポイントをしっかり押さえていきましょう。
アシュタンガヨガの注意点
高い運動量と難易度の高いアシュタンガヨガは、リラックス系のヨガに比べケガを呼びやすいと言えます。賛否はありますが、怪我から学ぶことも多く、体の使い方を探りながら習熟を続けて行くことに意味があるとも言えます。
しかしながら、もし実践中に体を痛めた場合は、ポーズを続けずに中止して体を休息させることを重視しましょう。そして無理をしないことも大切です。
体の柔軟性や可動域は十人十色、特に体の固い人は無理をせずに自分のできる範囲で実践することを最初の目標としましょう。
体の柔軟性や可動域は十人十色、特に体の固い人は無理をせずに自分のできる範囲で実践することを最初の目標としましょう。
最後に…
体が硬いからヨガには向いていないと思うのは誤解。むしろ、硬いほうがヨガのご褒美でもある「気づき」は大きいのです。力のない柔軟性は危うく、力強く柔軟な体をつくることが大切です。
ヨガはスポーツではありません。スポーツは消耗、ヨガは充電と言われたりします。また、ヨガは他人との競争でもなければ、自分との闘いでもありません。自分を受け入れるために行うものです。そして自分自身を観察し、内観、俯瞰する能力を養います。
アシュタンガヨガは継続的に行うことで高い効果を発揮します。指導者の下で練習を行うのが基本ですが、練習内容と方法が決まっているためマット一つあれば自宅でも練習をするこもできます。
何事も最初からうまくできる人は少ないです。アシュタンガヨガは日々のルーチンによって上達し、経験に応じて正しいアーサナを学んでいくことでしょう。
きついポーズの向こう側にあるアシュタンガヨガの新たな発見。アシュタンガヨガのポーズの中には、難しかったり体が固くてうまくいかないことも多いです。そういった中で「苦しい」といったネガティブな気分にもなります。しかしアシュタンガヨガはそんな苦しさを乗り越え、その向こう側にある新しい発見や喜びを見いだせる方がほとんどです。
心身共に刺激的で、自分の人生感も変えるほどの魅力があるアシュタンガヨガ。
ぜひその感覚を実感してみてはいかがでしょうか。
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